第1章: はじめに

1.1. SVGについて

この仕様書は、SVG(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)の機能と構文を定義します。

SVGは2次元グラフィックスを記述するための言語です。 単独のフォーマットまたは他のXMLと混在する場合はXML構文 [xml] を使用します。 HTML文書内で利用されるSVGコードはHTML構文 [HTML] を用います。 SVGは3種類のグラフィックオブジェクト(ベクター図形(直線・曲線からなるパスなど)、画像、テキスト)を扱えます。グラフィックオブジェクトはグループ化、スタイル付与、変形、合成できます。 機能セットには入れ子変換、クリッピングパス、アルファマスク、フィルター効果、テンプレートオブジェクトなどが含まれます。

SVG図面はインタラクティブかつ動的にすることができ、アニメーションも 宣言的(SVGアニメーション要素埋め込み)またはスクリプトによって定義・トリガーできます。

SVGの高度な応用には、補助スクリプト言語による SVG DOM(ドキュメントオブジェクトモデル)へのアクセスが活用されます。SVG DOMはすべての要素・属性・プロパティへ完全アクセス可能です。 イベントハンドラもあらゆるSVGグラフィックオブジェクトに割り当て可能です。 ウェブページ内では、同じスクリプトでHTML要素・SVG要素の両方を操作できます。 スクリプティング

SVGは情報のリッチなグラフィカル表示に有用であり、適切に利用されたアクセシビリティ機能によって、幅広いユーザーに内容を提供できます。しかし可能な場合はソースデータへの直接リンクも、多くの人にとって内容理解の助けとなります。

1.2. 他の標準化活動との互換性

SVGは、以下のように他のW3C仕様や標準化活動と連携・統合されています。

1.3. 規範用語

この仕様書では、"MUST"、"MUST NOT"、"REQUIRED"、"SHALL"、"SHALL NOT"、"SHOULD"、"SHOULD NOT"、"RECOMMENDED"、"MAY"、"OPTIONAL" というキーワードは RFCで要求レベルを示すキーワードの使い方 [rfc2119] で説明されている通りに解釈します。 ただし読みやすさのため、本仕様ではこれらの単語はすべて大文字で表記していません。

この仕様書では時折、著者やユーザーエージェント向けの良い実践例も推奨します。